養育費
Q 養育費の具体的金額はどのように決まるのですか?
A 養育費算定方法や基準について民法上規定はありません。そのため,養育費の具体的な金額は,父母の協議によって決めるのが原則です。
しかし,協議によって合意に至ることが困難な場合,現在の家庭裁判所及び高等裁判所等の実務においては,義務者・権利者の各収入,子の数,年齢に応じた「算定表」に従って養育費の算定がなされることが多いです。もちろん最終的な養育費の額は各事案の個別的事情も考慮した上で定まるものですが,通常範囲の事情はすでに「算定表」の中で考慮されておりますので,よほど特別な事情がない限り,算定表の額の幅を超える金額が認められることはないでしょう。
どのような事情が特別の事情に該当するか気になる方は,お気軽に当事務所にご相談ください。
Q 夫とはすでに離婚しており,子供の親権は私が持っています。最近,私の収入も減り,生活していくのが精一杯で,子供の養育費を元夫に支払ってもらいたいと考えています。離婚後ですが,夫にも養育費を請求することができますか?
A 養育費の支払義務は,親権の有無や同居の有無とは関係なく,子の母であり父であるという親子関係そのものに基づいて発生する義務であると考えられています。そのため,離婚後であっても子の父である元夫に対して養育費の分担を請求することができます。
Q 調停や審判で決められた養育費の金額を増額させることはできますか?
A 調停や審判の基礎となった事実関係や事情に変更があり,実情に合わないと思われるときは,従前に取り決められた養育費の額の変更を求めることができます。具体的には,勤務していた会社の倒産による失業,子の病気,怪我による長期入院などです。
ただし,養育費の増額請求が認められるには,調停や審判の基礎となった事実関係や事情に変更があることだけではなく,請求の相手方において増額に応じることができるだけの経済的余力があることが必要となってきます。