税金
Q1 離婚に際し,離婚の相手方から慰謝料の支払いや養育費の支払いを受けた場合,私は税金を支払わなければならないのでしょうか。
A 1.資産や金銭を受け取った方
慰謝料,養育費又は財産分与を受けた場合であっても,原則として,課税されることはありません。ただし,養育費を一括で支払いを受けた場合には,原則として贈与税の対象となると考えられています。
また,財産分与について,次のいずれかに当てはまる場合には,贈与税がかかります。
- 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎると判断された場合には,その多過ぎる部分に贈与税がかかることになります。
- 離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合には,離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。
2.資産を分与した方
慰謝料,養育費,財産分与のいずれの場合でも,金銭の給付に関しては,原則として当事者双方に税金はかかりません。
Q2 離婚に際し,不動産等の財産分与を受けた場合,税金を支払ったりしなければならないのでしょうか。
A 財産分与において不動産の分与を受けた場合には,不動産取得税,所有権移転登記の際の登録免許税がかかります。また,財産分与によって取得した不動産を将来売却した場合には,譲渡所得税が課されることになります。
Q3 離婚後,元妻が引き取った子の養育費を私が負担しているのですが,私の所得税に変動はありませんか。引き続き,扶養控除の対象となるのでしょうか。
A 所得税法は,所得金額から一定の金額を控除することを認めています(所得控除)。自らの子供を扶養している場合,扶養控除(所得税法84条,2条1項34号)の対象としています。
そして,離婚後に子供の養育費を負担している場合,離婚に伴う養育費の支払が,(1)扶養義務の履行として,(2)「成人に達するまで」など一定の年齢に限って行われるものである場合には,その支払われている期間については,原則として扶養控除の対象となります。