裁判離婚
Q 夫と裁判離婚を考えています。どのような場合に離婚できますか。
A 裁判離婚の場合,民法770条1項各号に定められた離婚原因が必要となり,原告は,その訴訟で離婚原因が存在することを主張立証しなくてはなりません。民法770条1項各号に列挙されている離婚原因は,次のとおりです。
- 配偶者に不貞な行為があったとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
Q 毎日,夫から殴られるなどの暴力を振るわれています。このような場合,夫と離婚できるでしょうか?
A 暴力(ドメスティック・バイオレンス。略してDV)は,不貞行為と並んでよくある離婚原因ですが,民法上離婚原因には列挙されていません。
しかし,夫の妻に対する暴力が同居に耐えがたいもので,それが原因で夫婦関係が破綻に至ったのであれば,「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当するとして,離婚することができます。
なお,今後も夫の暴力が続くことが予想される場合の対応は,裁判所に保護命令の申立てをすることなどが考えられます。詳しくはDVの欄を参考にしてください。
Q 判決で離婚が成立するとどのような手続きが必要ですか?
A 判決により離婚が成立すると,その時点で離婚の効力が生じ,戸籍役場への届出は報告的なものとなります。そして,その成立日を含めて10日以内に,原則として原告から,判決書謄本及び確定証明書を添付して,離婚届を単独でするのが戸籍法上義務づけられており,正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の制裁が予定され,さらに催告を受けても届出がない場合は10万円以下の過料の制裁が予定されていますので注意してください。